スポンサーリンク

【暗号資産】PoW(Proof of Work)/PoS(Proof of Stake)【基礎知識・用語】

用語集
記事内に広告が含まれています。
スポンサーリンク
筆者
筆者

皆さんこんにちは。コサキです。

PoW(Proof of Work)とは?

『PoW(Proof of Work)』は、分散型システム(特にブロックチェーン)で取引データの正当性を確認し、全ノード間で合意を形成する仕組みのことで、「正しい作業を行った証拠を提出し、他者に信頼される方法」を言い換えたものです。

後述する『PoS(Proof of Stake)』に先立って開発された技術です。

PoW必要の必要性

分散型ネットワークでは中央管理者がいないため、ノードが独自に取引の正当性を確認します。しかし、ハッキングなど悪意のあるノードが存在すると問題が発生します。

PoWは、取引の承認に多くの計算リソースを必要とするため、攻撃者がシステムを操作するのを困難にします。

PoWの仕組み

PoWでは、ハッシュ関数という暗号技術を利用して、特定の条件を満たすデータを探します。この過程を『マイニング』と呼びます。

ネットワークが難易度のある基準を設定し、マイナーが条件を満たすハッシュ値を見つけ(マイニング)ます。最初に正解を見つけたマイナーが報酬を得るという仕組みになっています。

PoWの実例

ビットコイン
ビットコインはPoWを採用しており、新しいブロックを生成するために膨大な計算を行います。ブロック生成は約10分ごとに行われ、報酬は徐々に減少(半減期)していきます。
※2023年1月時点でのビットコインのマイニング報酬は 6.25 BTC。

他の暗号資産における利用
・イーサリアム(2022年9月15日にPoWからPoSに移行)
・ライトコインなど

PoWのメリット・課題

PoWのメリット
  • 分散型システムのセキュリティを強化する効果。
  • シンプルで長年の実績がある。
PoWのメリット
  • 環境負荷:膨大なエネルギーを消費する。
  • スケーラビリティ問題:取引速度が遅くなる事象が生じることがある。
  • 中央集権化のリスク:大規模マイニング企業や国家により独占されることがある。


PoS(Proof of Stake)とは?

『PoS(Proof of Stake)』は、ブロックチェーンネットワークで新しいブロックを生成し、取引を承認するための仕組みのことで、一言でいうと「自分が保有する暗号資産を担保に(ステーク)することで、ブロック生成に参加する方法」のことです。

※ステーク:保有する暗号資産をロックして、ネットワークに貢献すること。

PoSが誕生した背景

それまで利用されてきたPoWの技術では「膨大な計算を必要とし、大量の電力を消費する」ことや、「トランザクションの処理速度が遅くなり、取引手数料が高騰する(スケーラビリティ問題)」ことなどが課題とされていました。

そうした課題の解決手段としてPoSの技術が誕生しました。

Powに対する優位性
計算競争がないため、エネルギー消費が低くて環境に優しい。また、より多くのトランザクションを高速に処理する可能になる。

PoSの仕組み

PoSでは、ネットワーク参加者が自分の保有する暗号資産を「ステーク」します。
ステークを多く保有するほど、新しいブロックを生成する権利を得る確率が高まります。

手順

  1. 暗号資産の「ステーク」
    参加者(バリデーター)が自分の暗号資産をロックして、ネットワークに貢献します。
    ※バリデーター:ブロック生成や取引承認を行うネットワーク参加者。
  2. バリデーターの選出
    ネットワークがランダムにバリデーターを選び、新しいブロックを生成します。
  3. 報酬の配布
    選ばれたバリデーターは、新しいブロック生成に対しての報酬を得ることができます。

PoSの代表例

イーサリアム(Ethereum)

2022年9月に「The Merge」と呼ばれるアップグレードで、イーサリアムはPoWからPoSへ移行しました。「環境負荷の軽減とスケーラビリティの向上」を理由にPoSが採用され、エネルギー消費が約99%削減されました。

その他のPoS暗号資産
  • Cardano(ADA)
  • Polkadot(DOT)
  • Tezos(XTZ)

PoSのメリット・課題

PoSのメリット
  • エネルギー消費量が少なく、環境に優しいこと。
  • マイニング設備が不要で、暗号資産を保有していれば誰でも参加可能であるため、アクセスが容易で、参加へのハードルが低いこと。
PoSのメリット
  • 初期分配の不平等さ:資産を多く保有する者が有利になる可能性があること。
  • セキュリティリスク:PoWよりも攻撃への耐性が考える専門家もいること。

PoSの未来

今後はより多くのブロックチェーンプロジェクトがPoSを採用する可能性があり、エコシステムがさらに拡大されていく可能性があります。

また、『DPoS(Delegated Proof of Stake)』や『HPoS(Hybrid Proof of Stake)』など、新しく改良型PoSのバリエーションも登場しています。