皆さんこんにちは。いよいよベスト4が出揃いました。
準決勝は「アルゼンチン vs クロアチア」「フランス vs モロッコ」という組み合わせで、12月14日から始まります。
2022年W杯カタール大会の開催を記念したAGLETの『WORLD CUP 2022 MOMENTS』コレクションのドロップ。大会や選手などにインスパイアされたスパイクが登場しています。
これらスパイクに付けられた名前の由来や、元ネタとなった歴史的な出来事や背景などを紹介しながら、「スポーツの歴史の中で印象的な瞬間」を振り返っていきたいと思います。
第4回は『LACELESS CLEAT ‘HEADBUTT’』の紹介です。
【AGLET】LACELESS CLEAT ‘HEADBUTT’
TIER | 4 |
EARN RATE | 18 |
MAX BOOST RATE | 288 |
DURABLITY | 36 |
REPAIRS REMAINING | 2 |
スパイクに名付けられた「HEADBUTT(ヘッドバット)」とは「頭突き」のこと。
今から16年前に起きた、W杯での大事件について見ていきましょう。
【W杯】頭突き事件!2006年ドイツ大会
開催大会 | 2006年 ドイツ大会 |
---|---|
優勝国 | イタリア(4度目) |
主要人物 | フランス代表 ジネディーヌ・ジダン(背番号:10) (1972年6月23日〜) イタリア代表 マルコ・マテラッツィ(背番号:23) (1940年10月23日〜) |
何が起きた? | ・フランス対イタリアの決勝で、フランス代表のジダンとイタリア代表のマテラッツィが口論になり、ジダンが頭突きをかまして「レッドカード(一発退場)」となった事件。 |
スパイクの名前の由来 | ジダンの「頭突き事件」が由来。 |
今大会での最も注目すべき事件が、決勝戦で起きた「ジダン頭突き事件」。
フランス代表のジネディーヌ・ジダンが、イタリア代表のマルコ・マテラッツィにピッチ上でいきなり頭突き(!)をかました事件です。
当時のメディアはこの話題で持ちきりでしたー。
ジダンの「頭突き事件」の内容
決勝戦はフランス対イタリアという組み合わせになりました。
開始7分、フランスが得たPKのチャンスをジダンが決めますが、19分にイタリアのマテラッツィが同点ゴールを決めて追いつき、後半は両チーム無得点のまま延長線に突入します。
延長線後半5分、事件が起こりました。当時の映像を見る限り、ジダンとマテラッツィのやりとりはユニフォームを掴むところから始まっているように見えます。
イタリアゴール前でジダンをマークするマテラッツィは、背後からユニフォームを掴みます。それを振り払ったジダンは自陣へ戻ろうとしますが、マテラッツィは何度か声をかけます。(この時のマテラッツィの言動が原因で起きた事件とされています。)
すると突然ジダンは振り返り、マテラッツィの胸元めがけてヘディングを一発!
マテラッツィは、ピッチにそのまま仰向けで倒れ込みます。(ビミョーに受け身をとってる風にも見えるんですが、どうなんだろう。)
この結果、ジダンはレッドカードで一発退場。
選手入場口に飾られた優勝トロフィーの横を通って、控室に下がって行く様子を写した映像は、いまだに忘れられません。
大事な大事なW杯決勝で得点を挙げたジダンとマテラッツィ。
その2人がこの事件の関係者になるとは…。
2006年ドイツ大会に、ジダンはいないはずだった??
ジダンは、今大会前の2004年に開催されたEURO2004(欧州の国と地域が参加する大会)を最後に、フランス代表を引退するはずだったのです。(同大会でフランスはベスト8で敗退。ジダンは大会終了後に代表引退を表明しています。)
しかし、ジダンの抜けたのフランス代表は、2005年に行われていたW杯ドイツ大会の予選で敗退してしまうかもしれないという危機に陥ります……。
この状況を重く受け止めたのが、フランスのサポーターだけでなく、当時のフランス代表のキャプテンや監督、そして恩師や、なんとフランスのジャック・シラク大統領(当時)、スポーツ大臣などなど……。
ジダンは各方面からの熱望もあってフランス代表に復帰しますが、大会後には現役を引退することも同時に表明していました。
サッカー選手が国の危機に、政府の要人にまで頼りにされるなんて。
とはいえ復帰を一番待ち望んでいたのは、フランスのサポーターだったんじゃないかな。
再びジダンが代表に復帰したフランスは、そこから快進撃を続け、なんとかW杯ドイツ大会への出場を果たします。
W杯ドイツ大会が終わったら、ジダンは現役を引退する……。
そのような状況で始まった代表戦最後・現役最後の試合を、ジダンは自ら犯した行為が原因で、とても残念なかたちでピッチを去ることになってしまったのです。
その後の顛末は…
そもそもなんで、ジダンは頭突きをかましたのか…?
気になるところですが、今回は詳細な経緯の説明は割愛させていただきたいと思います。
当時は各メディアで「ジダンはマテラッツィに何を言われたのか」論争が広まりましたが、ジダン本人は「頭突きしたことに後悔はないが、間違った行為だった」と反省していますし、「なんて言われたのか?」についても言葉を濁しながら説明をしていましたので、それで十分だと思います。
スタジアムに満員となった観客の大歓声の中でのことですし、実際のやりとりや当時の気持ちなどは本人達にしかわからないと思うので、私は深く掘り下げたくないという気持ちです。もう16年も前のことですから。
当時は高校生だった私も、今ではジダン(当時)と同じくらいの年齢になっていることが驚きです。あの貫禄はいまだに出ません。
それにしても、延長戦後のPK戦。ジダンがあのまま何事もなく出場し続けていたら、優勝できていたのでしょうか。それが気になります。
【W杯】2006年ドイツ大会ーそのほかの出来事
ここからは、2006年ドイツ大会のその他の出来事を振り返っていきましょう。
「得点王」のクローゼ
今大会の「得点王」は5得点を挙げた、ドイツ代表のミロスラフ・クローゼです。
ドイツはベスト4まで順調に勝ち進み、準決勝でイタリアと対戦します。延長戦の末に0-2で敗れましたが、3位決定戦ではポルトガルを相手に3-1で勝利し、自国開催としては決して悪くないかたちで大会を終えました。
MVP賞の正式名称は「アディダス・ゴールデンブーツ」で、条件は「大会で最も多くのゴールを決めること」のみ!(めちゃくちゃシンプル!)です。受賞者には、金色のシューズ型のトロフィーが贈られます。
本記事執筆のきっかけとなった、AGLET『WORLD CUP 2022 MOMENTS』コレクションでも、スパイクをコンプリートした人は『GOLDEN BOOT』をリワードとして受け取れます。
得点王…ってこと…?
「ゴールデンブーツ」のほかにも「シルバーブーツ(第2位)」「ブロンズブーツ(第3位)」などがあり、得点数が同じ場合には「アシスト数」や「得点時の出場時間の短さ」なども考慮されて順位が決まります。
3得点で2位以下が8人も並んだ中、今大会の「シルバーブーツ」をアルゼンチン代表のエルナン・クレスポが、「ブロンズブーツ」をブラジル代表のロナウドがそれぞれ受賞しました。
「大会MVP」はジダン
「大会MVP」の選考は記者による投票で行われ、フランス代表のジダンが選ばれました。MVP賞の正式名称は「アディダス・ゴールデンボール」です。受賞者には、金色のサッカーボール型のトロフィーが贈られます。
「シルバーボール(第2位)」と「ブロンズボール(第3位)」の選考もあり、2006年ドイツ大会では、「シルバーボール」にイタリア代表のファビオ・カンナバーロ、「ブロンズボール」は同じくイタリア代表のアンドレア・ピルロが選出されました。
W杯の大事な決勝で相手選手に頭突きかまして退場になったジダンが!? 大会MVP !? と思う方もいるでしょうけど。
参加国には準備金・賞金が…。
W杯に出場する32カ国には、大会への参加にあたり準備金が支払われます。
準備金のほか、グループリーグでの試合や、決勝トーナメント進出後の試合に対しても賞金が支払われます。
2006年W杯ドイツ大会での賞金は以下の通りです。
賞金項目 | 賞金額(当時の日本円換算) |
---|---|
参加準備金(参加国全てに) | 100万スイスフラン(約9,000万円) |
グループリーグの出場賞金 (全3試合分) | 600万スイスフラン(約5億4,000万円) |
決勝トーナメント進出(ベスト16) | 850万スイスフラン(約7億6,500万円) |
ベスト8 | 1,150万スイスフラン(約10億3,500万円) |
ベスト4 | 2,150万スイスフラン(約19億3,500万円) |
優勝 | 2,450万スイスフラン(約22億500万円) |
賞金総額 | 3億3,200万スイスフラン(約298億8,000万円) |
FIFA本部がスイス・チューリッヒに置かれていることから、賞金はスイスフランで支払われることになっています。
ちなみに、2022年W杯カタール大会の優勝賞金は4,200万ドル(約58億8,000万円)です。
すごい!!
代表・現役の引退表明も多かったドイツ大会
今大会を最後に「代表引退」「現役引退」を表明する有名選手が多かったのも印象的です。
これ以降、各国のチームで世代交代が進んでいくことになります。
いずれもすごいメンツです。懐かしいなぁ。
今大会から新デザイントロフィーに
優勝国に授与されるトロフィーが、今大会からデザイン変更に伴い新しくなりました。
トロフィー上部にある地球(丸い部分)には、世界地図が描かれています。
その中の日本がこれまで「陸続きにデザインされていた」のですが、「切り離されて島国に」なっています。
その他、優勝トロフィーに関しては、前回の記事に詳しく書いていますので、ぜひご覧ください。